第11回   ゴミ箱行き 1996.9.25


「いや、よかった、昨日のネタは。鏑矢さんも笑って見逃してくれたようだし」
「でも贋作の方が得票多くて、悪いな、なんか‥‥って、漫才はしないんじゃなかったのか!」
‥‥申し訳ない。
 さて、『365歩のマーチ』についてですが、「うるう年のときはどうするのか?」という、重大な問題があります。やはり、366歩進まなければならないでしょう。つまり、「4年に一度は366歩進む」ということですが‥‥ところがどっこい(死語)、そうは問屋がおろさない(死語)のです。
 うるう年は、4年に一度来るものではないのです! 嗚呼、今明かされる衝撃の事実!
 地球の公転周期が365.25日なら、うるう年は4年に一度でいいのですが、実際は365.2422日なので、4年に一度だとだんだんずれていってしまいます。そのうちに、真夏に餅つきをしたり真冬に海開きをするようなマヌケな事態になりかねません。
 このようなことを防ぐため、うるう年は、以下の法則によって決められています。
 法則1.西暦の年号が4で割り切れる年は、うるう年にする。
 法則2.ただし、4で割り切れても100で割り切れる年は、うるう年にはしない。
 法則3.ただし、100で割り切れても400で割り切れる年は、うるう年にする。
 つまり、うるう年は、「4年に1回」ではなく、「400年に97回」やってくるわけです。
 以上、誰かさんの嫌いなうんちくネタ、もとい、うんちくマクラでした。

 というわけで、今回の「熱く語る」はこれ。

 雑誌ならともかく、単行本は(漫画も含めて)捨てない主義である。
 現在、私の家にはスチール製の本棚が4本。それにぎっしりと本がつまっており、なおかつ、押し入れの中まで侵食している。(余談だが、阪神大震災のときには、この本棚から数百冊の本がなだれ落ちてきた。寝ている私の足下だったから良かったようなものの、頭の方だったら危なかったかもしれない)
 読んでつまらないと思った本は何冊もあるが、それらも、「面白くないのもひとつの価値」と考えて残してある。

 そんな私だが、過去に一度だけ、単行本を捨てたことがある。
 それは、『磯野家の謎』以降、一時爆発的に発売された、いわゆる「漫画研究本」の類である。もはや出版社も正確な書名も忘れてしまったが、『ドラクエの秘密』とかなんとかいう、ドラゴンクエストの研究本だった。
 当時ドラクエに熱中していた私は、内容をよく確かめもせずに買ってしまった。それが間違いだったのだ。
 最初の数ページを読んで、愕然とした。文章がヘタなのだ。いや、ヘタなどというレベルではない。句読点は間違える、文法はでたらめ、漢字はまともに使えない‥‥「面白い、面白くない」というレベル以前に、読むことが苦痛なのだ。
 それでも、せっかく買ってきたのだからと、10ページぐらいは読み続けた。‥‥それが限界だった。

 てめー、こんな本を出版するんじゃねえ! ゴミ箱行きだー!

 私はその本をゴミ箱にたたき込んだ。あーすっきりした。

 こういう本が出版されてしまうのは、著者よりも編集者のチェックの問題であろう。そして、編集者というものが存在しないWeb上には、このような破綻した文章は、はるかに高い確率で存在する。
 ‥‥Web上の文章は、ゴミ箱にたたき込めないのが残念である。
 (などと言っている自分の文章が一番ヤバいんだよな。あーあ)


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