裏ぽた・98年2月
2月28日(土)
『どろろ』のレーザーディスク(全7枚組・42000円)を買う。
手塚治虫原作のアニメで、室町時代を舞台にどろろと百鬼丸が妖怪退治を繰り広げるという異色の時代劇だ。白黒作品で、放映されたのは1969年。この作品がカルトな人気を得ているのは「現在では絶対に放映できない」からだろう。白黒作品だから、ではない。放送禁止用語が山のように出てくるからだ。なにしろ、百鬼丸の設定が「四十八匹の妖怪に目や耳や腕などの体の各部を奪われて誕生した」のだからかくや、である。
最初の何話かを見てみたのだが、確かによく出てくる。「つんぼ」「めくら」「びっこ」「かたわ」「芋虫のような化け物」……。ライナーノートには、こんなことが書いてあった。
おことわり
この作品は、昭和44年にテレビシリーズとして放映したものです。原作者手塚治虫の作品には、つねにヒューマニズム・弱者へのいたわり・公平さが、基調に流れていると評価されています。当時のスタッフは原作者の意図を受け継ぎこの作品を制作しました。しかしながら、作品が放映された当時の社会的背景とは異なり、今日ではこの作品の描写や表現を差別と感じる人がいる以上、その声に真剣に耳を傾けねばなりません。私たちは原作者とアニメーションスタッフの、作品にこめる熱意を尊重し、放送当時のままご紹介することにいたしました。レーザーディスクの発売にあたり、お客さまにはご理解いただきますようお願い申し上げます。
いわゆる「差別語」の問題を語り始めると際限がなくなってしまうので別の機会に譲ることにして、手塚治虫についてちょっとだけ触れておこう。
手塚治虫が、自分の作品にこまめに手を入れる、というのは有名な話である。雑誌掲載時と単行本収録時、また単行本でも版が変わるごとに修正をかけていたりする。これはもちろん、気に入らなかった部分を書き直すという完璧主義のあらわれであるのだが、それ以外にも「抗議を受けたため書き直した」というものも少なくないのだ。
たとえば『ブラックジャック』の中の1エピソード「植物人間」は、いったん単行本の第4巻(秋田書店チャンピオンコミックス版)に収録されたのだが、ロボトミー手術を肯定的に描いているとの抗議を受け、2版からは別のエピソードに差し替えられている。
ところが、手塚治虫が死去して以降は、当然ながら作品を修正する者はいない。だから発表当時の形で単行本化されているのだが、その単行本には上記の「おことわり」と似たような但し書きがつけられているのだ。
手塚治虫が死去したことにより、かえって作品が原型通り読めるようになった……複雑な心境である。
2月27日(金)
なんだか最近、ここをマジメに書いてるなあ。
しおりんが熊本に出張に行く、という話で思い出したのだが、兵庫県伊丹市に昆陽池(こやいけ)という直径300メートルほどの池がある。伊丹空港の近くなので、飛行機が旋回したときによく見えるのだ。実はこの池の中には、日本列島が浮かんでいるのである。
上空から見ると、はっきり北海道・本州・四国・九州の4島の形がわかる。とても自然にできたとは思えないほどだ。
実は、この島には不気味な伝説がある。このミニチュアの島に何か異変が起こると、それがそのまま実際の日本列島に反映されるというのだ。阪神大震災の時もそうだった。あの地震の数日前、子供がいたずらをして島の上で爆竹を爆発させていた。そう、ちょうど神戸の位置に当たる場所で。
そして今日、たまたま出張で昆陽池の近くへ行った私は、恐ろしいものを見てしまった。工事用のクレーンが倒れ、それが島を直撃していたのだ。押しつぶされていたのは、東京にあたる場所だった……。
……って、うーっ、すまん、この伝説はたった今私がでっち上げたものだ。残念(←?)
でも、昆陽池に日本列島があるのはホントだぞ。
2月26日(木)
「きゃ〜、たみ○さんて、やおいが好きなんだって!」
「え〜っ、Tみおさんて、やおいが好きなのぉ〜っ!」
……というような伏せ字を使う人がたまにいるが、これには一体どんな意味があるのだろう?
伏せ字本来の「何が書いてあるのかわからないようにする」効果はない。伏せられた文字が容易に推定できるからだ。もし本当に隠したいのなら、「きゃ〜、○○○さんて、やおいが好きなんだって!」というようにすべて伏せ字にするべきだろう。
すると、抗議が来たときに「違います、あなたのことを言ったのではありません。これは、たみえさんのことです」などと言い訳するためだろうか?
とにかく、こういう意味のない伏せ字は読みにくいだけなので、やめて欲しい。……って、まあ、読みにくけりゃ読まなきゃいいんだろうけど、そうもいかない場合もあるのよ。
……はっ、もしかして、伏せ字にすることでギャグになる、などと思いこんでるんじゃないだろうな? その程度でギャグになるなら私も楽なのだが。
せめてこれくらいのことはしないと、ギャグ伏せ字にはならないだろう。
我孫子武○さんて、いつも原稿が遅いなあ(←伏せ字になってないぞ!)
2月25日(水)
今日は岡山に出張。工場で開催される某秘密会議に出席するためだ。
工場があるせいか、岡山出張というのは非常に多い。年に十回以上は行っているだろう。次に多いのは東京出張、そして熊本出張というところか。
しかし、思い出してみれば、岡山出張で泊まりになったことなど二度あるだけである。新大阪から新幹線で一時間と近いせいか、日帰りばかりだ。そして、日帰りだと寄り道しているヒマがないのだ。
岡山はよく行くから詳しい。だが、詳しいのは岡山駅と工場への往復の道だけだ。岡山城さえ行ったことがない。いつもバスの窓から、彼方にそびえる岡山城を眺めるばかりである。
いつかゆっくり時間を取って、岡山を観光してみたい。そのためには、金曜か月曜に出張の予定を入れればいいのだが、相手のあることだしそう簡単にはいかない。実は、来週も岡山出張が入っているのだ。火曜日に。
2月24日(火)
ううっ、すまぬ、みやちょ。つい出来心で陳さんを使ってしまった。
ついでだから、こっちもみやちょ風にしてしまおう。
電車に乗って座席に座り、新聞を広げる。
しばらくそのまま読んでいたのだが、どうもおかしい。どこからともなくイヤなにおいがただよってくるのだ。そう、三日間風呂に入っていなければかくや、というようなにおいだ。
まずい。ひょっとして、私の足か? 雨の日は靴が蒸れるからなあ……と思ったが、違うようだ。私の足ならひおいは下からただよってくるはずだが、このにおいは横から来る。そっとあたりを見回すと、対角線上の座席でホームレス風のおじさんが気持ちよさそうに眠っていた。服装はかなり汚い。なるほど、においの元はこのおじさんか。とりあえず、私じゃなくてよかった。
ま、座席を変わることもないだろう。どうせ電車に乗ってるのは10分ちょっとなのだから。
というわけで、ほのかにただよってくるおじさんのにおいを嗅ぎながら出勤したのだった。
ううむ、みやちょにしてはみじかかったか。
2月23日(月)
特筆すべきこともなし。
うーむ、なんだか眠いので、早めにスヤろう。
今日買った本:
『法とは何か(新版)』(渡辺洋三、岩波新書)
2月22日(日)
ようやく「もりぼん。」を入手。
……といっても、ここを読んでいる人の大半は知らないか。何かというと、森博嗣というミステリ作家の作品のパロディー漫画や小説を集めた同人誌、である。極上パロディーズの方のBBSに集まるメンツの有志で作った本だ。私も、4コマ漫画4ページを執筆している。
今日は、大阪の淀川区民センターで別のミステリ作家の同人誌即売会がおこなわれていたのだが、「もりぼん。」を受け取るためにわざわざ行ってきたのだ。
で、この「もりぼん。」だが、なかなか面白い。某嬢の話によると「けっこうレベルが高い」そうだが、そうなのか? 最近の同人誌事情には疎いので、どの程度のレベルなのかよくわからない。
(なお、これは秘密であるが、森博嗣本人も寄稿している←ここで書いたら秘密じゃないって)
一応、私の分として10冊確保したので、「欲しい!」という奇特な人は下のボタンを押すように。次回オフミ時にでも渡します。なお、正解者多数の場合は抽選になります(←?)