裏ぽた・99年7月


7月31日(土)

 というわけで、休日出勤の日。午後からということにしたので、朝はゆっくりと眠れたけど。

 起床は十時半。休日は許可車じゃなくても会社の駐車場が使えるので、車で出勤である。まずはガソリンスタンドへ行ってガソリンを補給し、ついでに洗車もしてもらう。途中で王将へ寄って海老天おろし冷麺を食べ、さらに本屋をうろうろして新刊を物色(収穫なし)、会社に到着したのは午後一時ちょうど。後輩Aはすでに来ていた。
 相変わらず冷房の効いていない実験室で奮闘する後輩Aの様子をたびたび見に行きつつも、デスクで自分の仕事も進めていく。私の課で出勤しているのは、あと二人くらいか。うるさいヤツがいないので落ち着いて仕事ができた。
 後輩Aの仕事もなんとか軌道に乗ってきたようで、これなら大丈夫だろうと六時頃に家路に……着こうと思ったら、突然の雨だ。かなり激しく降っている。社屋の玄関から車を止めたところまで、ほんの十メートルほど走っただけでびしょぬれである。でも夕立らしく、車で走っているうちにやんだ。
 そして途中でダイエーへ寄り道。お好み焼きと焼きそばのセットを食べたのち、酒と食材を購入。時間限定・肉の半額セールをやっていたのでたくさん買い込もう……と思ったのだが、平日はほとんど料理をしないのでムダになっても困るなあ。結局、鶏肉だけにする。マイクでくりかえし「半額!半額ゥ!」と叫んでいるおじさん(注:天井にへばりついていたわけではない)に、『半額』のシールを貼ってもらってレジへ。

 さて、今夜はウナギを肴に酒でも呑むか。



7月30日(金)

 今日はひたすら後輩Aのフォローに追われる。

 実は、いま後輩Aがやっている仕事では、来週の月曜日に提出する約束のブツがあるのだ。それを工場で待っている人がいる。ところが、現状ではとてもじゃないが月曜に間に合うわけがないということが判明したので、その対応でドタバタしていた。
 まず、工場の担当者へ連絡を入れて、月曜に提出できないということで話をつける。じゃあいつになるのかと聞かれると、これはまだ何とも言えないので月曜日に再度連絡を入れることにした。
 そして肝心の仕事の方は午後からつきっきりでフォロー。一人で悩ませていられるような余裕はないので、指示を出しつつどんどん進めていく。おかげでかなりはかどったようである。しかし、いつ完成するかといえば……やはり、これは何とも言えないのである。

 そういうわけで、明日も出勤するハメになってしまったのだ。



7月29日(木)

 天気予報では午前中雨と言っていたが降らずに、曇りのち晴れ。風がないので暑い。

 実験室へ後輩Aの様子を見に行くと、相変わらず悩んでいた。しかも、昨日と同じように行き当たりばったりにあちこちいじってどんどん深みにはまっていっているのだ。昨日、ちゃんと教えたのに。もう忘れてるのか。しくしく。
 なんだかどっと疲れが出たので、今日は早めに帰宅。いいかげんにしないとオレもキレるぞ。……はっ、いかんいかん。
「子供叱るな来た道だ。年寄り笑うな行く道だ」
 前にも書いたような気がするが、これは誰の言葉だったっけなあ。

 早めに帰ったので、今日は「オモテ」を更新。



7月28日(水)

 朝は小雨がぱらついていたが昼前にはあがった日。

 実験室にこもった後輩Aからは依然として音沙汰なしである。さすがに不安になってきたので、午後から実験室へ様子を見に行くと、案の定一人で深みにはまって悩んでいた。
 ブツを動かしてみる。期待したとおりに動作せずエラーが出る。じゃあ、この辺をちょっといじってみよう。すると、また別のエラーが出る。じゃあ、今度はここをいじってみよう。さらにまた別のエラーが出る。ならば、今度はこっちの方を……などと行き当たりばったりにあちこちをいじっているだけなのだ。すでに最初に動かしていた条件とは似ても似つかぬものになってしまい、相変わらず正常に動作せずに悩んでいたのである。ううむ、これじゃあ百年経っても終わらんわなあ。
 さすがに百年待つわけにもいかないので、すべてをいったんリセットさせる。一番最初の条件に戻させたのだ。これでもう一度動作させてみると、確かにエラーが出る、なるほど。すると後輩Aが言った。
「じゃあ、ここをちょっと変えてみましょうか?」
 みましょうか、じゃないって。原因もわからないうちから対策に走ってどうするというのだ。まずは、このエラーの原因をつきとめることが先決だろう。というわけで、エラーが出る条件をすべてピックアップさせる。そして、これらの条件にあてはまっているかどうか、ひとつひとつ確認させていくのだ。これらをすべて、背後からいちいち指示してやらなければならないのだから大変である。
 まあそれでも、そんなこんなでようやく原因をつきとめることができた。一つ解決である。やり方も覚えただろうし、これからはもう大丈夫……いや、やっぱり不安だなあ。ううむ、明日も様子を見に来るか。



7月27日(火)

 朝は曇り。今日はちょっと涼しい。

 午前中はデスクワークに専念し、午後からは会議。やたらと頭を使う会議で、ずいぶん疲れた。まあ、眠くならなかったのはよかったけど。
 後輩Aは実験室にこもって一人で頑張っているようで、一度も相談に来なかった。それはそれで楽でいいのだけど、あまりに音沙汰がないと不安になるなあ。かと言ってこちらから様子を聞きに行くのもなんとなく癪だし。というわけなので、実験室で後輩Aが使っている(はずの)パソコンをネット経由でちょいとのぞいてみる。これで、ファイルの中身や更新日時を確認すれば、ちゃんと仕事をしているかどうか……ううむ、あまりよくわからないなあ。まあいい、便りのないのはいい便り、ということにしておこう。

 夕方から雨。台風が近づいてきているようなので、早めに帰宅した。



7月26日(月)

 相変わらず暑い日が続く。
 今日は後輩Aにわずらわされることなく、自分の仕事に専念できた。まあ、たまにはこんな日もないとあとで泣きを見るのは自分だからなあ。せめて週に一度くらいはこういう日が欲しい。
 せっかくだから定時後もちょっと仕事をするか、と思ったら、冷房が午後六時で切れた。しくしく。今日はとてもじゃないが冷房なしで仕事ができるような気温じゃないので、早々に退散することにする。ああ、残念だなあ。仕事したかったのになあ。冷房が切れたんじゃあ仕方ないなあ。

 というわけで、今日は「オモテ」を更新。


今日買った本:
『封印・史上最強のオタク座談会』(岡田斗司夫&田中公平&山本弘、音楽専科社)
『西遊妖猿伝』12巻・白骨夫人之巻(諸星大二郎、潮出版社)



7月25日(日)

 午前十時頃、またもや電話がかかってきた。再び留守電モードで聞き流す。
「トヨタカローラのタツミですが、タカハシさんのお宅でしょうか? お車の方、そろそろ車検の期限になっておりますので、連絡させていただきました。よろしくお願いします。またお電話します」
 ううむ、これは単なる間違い電話だな。

 この電話のせいで目が覚めたので、仕方なく起き出す。朝食(というか昼食というか)は久々に和食にしようと思ってご飯を炊き、玉子と海苔の佃煮と味噌汁で食べる。
 その後はまた車でダイエーへ。なんだ、昨日と同じじゃないか、と思ってはいけない。昨日行ったのは摂津富田店で、今日行ったのは南茨木店である。
 今年のプロ野球はダイエーホークスが好調なので、各店でいろいろとセールをやっているのだ。摂津富田店では、ホークスが勝った瞬間から翌日の閉店時まで割り引きセールをやっていたのだが、これはオールスター戦中なので一時休止である。南茨木店へ行ってみると、前半戦首位折り返し記念セールをやっていた。せっかくだから、と洗剤やシャンプーや歯磨き等を買い込んでおく。この調子で頑張れよ、ダイエー。
 ……などと書くとホークスファンかと思われるかもしれないが、そうではなくてスーパーのダイエーのファンなのである。

 午後八時頃になって再び電話。またトヨタカローラか、と思って今度は受話器を取った。
「トヨタカローラのタツミですが、タカハシさんのお宅でしょうか?」
「いえ、違います」
 これでもうかかってこないだろう。



7月24日(土)

 昨夜、マヌケな電話がかかってきた。布団に入ってしばらくしてからだから、午前二時頃のことか。
 呼び出し音で目が覚めたのだが、受話器を取るのも億劫だし、留守電モードになってるからいいか、と思って聞き流していたら、若い男の声でこんなことを言うのだ。
「あ〜、こちらは高槻警察やけどな、おまえ、たみおって名前なんやてな。新曲いつでるねん? とにかく、XX-XXXXに電話してこいや。な〜んちゃって、な〜んちゃって、な〜んちゃって……」
 だから、私は奥田民生じゃないと言ってるのに。
 なんとなく面白いような気がしたので布団から抜け出して留守電のメッセージを聞き直し、内容をメモしておいたのだが……朝起きて読み直してみると大して面白くないなあ。「オモテ」のネタには使えそうにないのでこっちに書いておこう。今度はもう少し面白いことを思いついてから電話するように。

 そして今日も例によって車でダイエーへ。車を駐車場に置いてから銀行に行ってお金をおろし、駅のみどりの窓口まで歩いていって夏休み用の切符を確保。これだけ歩いただけでも汗が噴き出してくるぞ、ああ暑い。
 酒と食材を仕入れたのちに帰宅。その後は読書などしつつだらだらとしていた。



7月23日(金)

 今日は朝から後輩Aの書いた資料群のチェック。
 実は、昨日の帰り際にもちょっとだけチェックしたのだが、いきなり最初の資料でミスが見つかったので萎えていたのだ。今日、残りの分をチェックしたが、こっちは特にミスもなくて一安心。昨日の資料の訂正版もOKだった。
 午後からは後輩Aを実験室に連れていき、開発機材の使い方を教え込む。これからしばらくはこれを使って仕事をするわけだから、しっかり覚えておくように。冷房の効きが悪いけど、ガマンしなさい。

 定時前になって、今年配属される総合職の新入社員がやってきた。
 総合職の場合は三ヶ月間実習期間があって、これは営業とか生産現場でおこなわれるケースが多いのだが、その後に正式な配属先が決まるのだ。決まったあとにさらに研修などがあり、実際に配属されるのは例年この時期になるのである。今年、私の部に配属されたのは二人。私の部には三つの課があるのだが、私の所属する課を除く二つの課に一人ずつの配属である。(ちなみに、担任職の場合は一ヶ月弱の研修ののちすぐに配属される。今年はすでに一人、隣の課に配属されているのだ)
 部のメンバーを全員集めて、その前で二人が自己紹介。いきなりこんな大人数の前で喋らされるのもプレッシャーだろうが、元気で素直そうでいい感じである。しかし、油断してはいけない。この二人もいずれ数年経てば、後輩Aのようにナマイキに成長するのだから。
 今年配属されたこの二人は、両方とも男性だった。男女雇用機会均等法が施行されたはずだが、今年の総合職新入社員の男女比はどうなっているのだろう、と思って社内掲示板を検索してみたが、どうも全社的なデータは載っていないようである。載っていたのは、京都研究所配属者のデータだけだ。それによると、配属者は全部で三十人、うち男性二十四人、女性四人、不明二人、といったところである。ううむ、まだこんなものなのか。私の会社ももっと精進が必要だな。
 あ、不明二人というのは、別にオカマだとかニューハーフだとかいうわけではなく、名前からは男女が判別できなかっただけです。


今日買った本:
『日本語の復権』(加賀野井秀一、講談社現代新書)
『最新恐竜学』(平山廉、平凡社新書)
『デビルマンレディー』9巻(永井豪、講談社)
『よしえサン』7巻(須賀原洋行、講談社)



7月22日(木)

 大阪は今日梅雨明け。そう聞くと、なんだか一段と暑くなったような気がする。

 午前中は実験室で仕事。午後は二時間ほど会議ののち、再び実験室で仕事。パソコンのディスプレイをずっとながめていると、なんとなく視界に違和感を感じた。視界のうちの一点、焦点からちょっと左へずれたあたりが、まるで陽炎のようにぼやけているのだ。
 眼鏡を外してみても、まだその陽炎は見えている。目にゴミでも入ったかと思い、右目を閉じる。左目に陽炎が見える。そして左目を閉じても、右目に陽炎が見える。それも、まったく同じ位置に。ということは、目の問題ではなく脳の問題か? ひええ。
 これはちょっとヤバいのでは? と思いつつも、しばらく静観していると、その陽炎の位置が段々と左側へ移動していくのだ。さらに移動して、ついには視界の外へ去った。
 というわけで、すぐに正常に戻ったわけだが、原因はいったい何なのだろう? 単なる疲労ならいいのだけど……。



7月21日(水)

 四連休後の、久々の出勤である。しかしものすごく暑い。会社までの道を歩いただけで汗まみれだ。

 そして連休明けも後輩Aのフォローは続く。さっそく状況を聞いてみると、月曜日にやっておけと言っておいた仕事がまだできていないではないか。こらこら。まあ、私も休んでいたのだからあまり強くは言えないのだが。って、もしやそれを見越しての狼藉かっ。
 午後からは、冷房の効きが悪い実験室で仕事。しばらくはこの実験室に入り浸ることになるからエアコンをなんとかしてほしいなあ。これでは仕事の効率も落ちるというもんだ。などとぼやきつつも、定時までなんとかがんばった。

 ううっ、帰り道もまだ暑いぞ。



7月20日(火)

 四連休の最終日。今日はひたすらだらだらすることにする。
 十時過ぎに起床して、車で市役所前の田村書店へ。ここで本を物色した後、ダイエーへと向かう。酒と食材を購入して帰宅。その後は掃除と洗濯と読書に没頭。
 夕食は久々に(でもないか)カレーチャーハンを作ることにした。鶏肉がメインで、野菜はタマネギとニンジンとグリンピース。今回はわりと美味しくできたので満足。
 夜はタイガースのナイターを見つつビール。その合間に、久々に「オモテ」の方を書く。タイガースはやっと連敗脱出した、ふう。


今日買った本:
『空想歴史読本』(円道祥之、メディアファクトリー)
『東京妖怪地図』(田中聡、祥伝社文庫)



7月19日(月)

 というわけで、東京三日目、最終日。

 本日は恒例の、『第2回ぷぷぷ映画オフミスターウォーズエピソード1の巻・君はりねの涙を見る!』(長いって)である。
 上映時間にはまだ間があるので、とりあえず日比谷公園をぶらぶらして鳩の交尾などを観察した後、松本楼で昼食。私はビーフカレー、りねさんはクリームスパゲティを注文。ここのカレーはわりとあっさりとしていて美味しかった。しかしりねさん、食べきれない分を私に押しつけるんじゃないのっ。これ以上太ったら困るやんか。……などと言いつつ結局食べてしまうのだが。
 昼食後、有楽町の日劇へ。平日だというのに長蛇の列ができている。しかし、我々は並ぶ必要などないのだ。行列を尻目にさっさと入場する。指定席を確保しておいてくれたりねさんに感謝。
 で、肝心の『スターウォーズ』、これは十分楽しめた。そしてりねさんは、やっぱり泣いていた。ううむ、ホントにどんな映画でも泣けるんだなあ。よし、次回は『となりの山田くん』に挑戦しよう。

 そして映画終了後は、りねさんのお仕事の都合で東京駅でお別れ。私はそのまま新幹線で帰阪した。



7月18日(日)

 というわけで、なぜかまだ東京にいるのだった。

 有楽町・銀座あたりをぶらぶらしていたりして。

 えーと、引き続き以下次号。



7月17日(土)

 というわけで、なぜかまた東京に来ているのだった。

 以下次号。



7月16日(金)

 一週間も終わり、やっと金曜日。いや、ホントに長かった。

 今日は後輩Aのフォローをしつつ、そのあいまに開発機材のセットアップ。ホントはこのセットアップも後輩Aの仕事なんだけど、これ以上負荷を増やして悩ませるわけにはいかない状況だし、だいいち任せていたら何日かかるか見当もつかない。仕方なく私がすることにした。
 というわけで、久々に実験室へ行く。この実験室は棟が離れていて、いったん一階に降りて外を歩かなければならないのだ。ああ暑い。おまけに実験室は冷房の効きが悪いぞ。などと文句を言いつつもセットアップにかかる。まず実験台の上を整理し、パソコンを立上げ、ネットワークの設定をして自分のデスクのパソコンが見えることを確認し、アプリケーションをインストールして機材一式を接続し動作確認。なんやかやで結局定時までかかってしまった。実使用は来週からということにして、今日はここまでで帰宅。

 さあ、いよいよ四連休突入だ。電話かけてきたりするなよ、後輩A。


今日買った本:
『百鬼夜行−陰』(京極夏彦、講談社ノベルス)
『グイン・サーガ・ハンドブック2』(早川書房編集部編、ハヤカワ文庫)



7月15日(木)

 今日は曇りのち晴れ。このところいい天気が続いている。

 出社早々、後輩Aが助けを求めてきた。昨日まで動いていたパソコンのアプリケーションが動かなくなった、とのことである。どれどれ、と昨日と同じく背後に立ち、そのアプリケーションを立上げさせてみる。すると、エラーウィンドウが開いて何やらメッセージが表示された。メッセージを読もうと思ったが、すぐに後輩Aが「OK」ボタンを押して表示を消してしまったのだ。そうか、いつもこれが表示されるのだな、と思って「今のメッセージ、何て書いてあった?」と聞くと、「いえ、見てません」と言うのだ。おいおい、エラーメッセージも確認せずに「なぜか動かなくなりました」と悩んでたのか? 脱力したので喫煙室へ煙草を吸いに行く。
 戻ってくると、後輩Aはまだ悩んでいる。仕方がないのでエラーメッセージを確認してみると、「File not found」と表示されている。つまり、存在しないファイルを開こうとしていたわけだ。なあに、簡単なことだよワトソン君、ちょっと注意力を働かせてエラーメッセージさえ確認していれば君にもわかったはずだ。というか、それくらいワトソンでも気付くだろうが。

 帰宅時、駅の周囲やホームでやたらと浴衣姿の女性が目につくと思ったら、そうか今日は祇園祭か。


今日買った本:
『吸血の家』(二階堂黎人、講談社文庫)



7月14日(水)

 喫煙室の窓から中庭をながめていると、見慣れない鳥が飛んできた。池の畔に降りて水を飲んでいる。どうやら雲雀のようだ。
 この中庭で一番よく見かける鳥は雀、その次が烏か。意外に鳩はほとんど見かけない。そういえば、どこから入り込んできたのかわからないが、猫やら犬やら幼稚園児やらが遊んでいたこともあったなあ。

 今日は自分の仕事は定時前に片づいた。このまま帰ろうとも思ったが、隣の席で後輩Aが悪戦苦闘しているようなので仕方なくフォローする。パソコンに向かった後輩Aの背後に立ち、作業一つ一つについて指示を出していく。と言っても、あくまでヒントを出すだけで、すべてを教えるようなことはしないのだが。
 そんなことをしていると、後輩Fが通りかかって「うえださん、後輩Aに教えてあげてるんですか?」と言った。そうだ、と答えるのもなんとなくはばかられたので「いや、見てるだけ」と答えておく。ううむ、この辺の心理は我ながら謎である。
 で結局、午後八時までそのまま後輩Aの背後に立ち続け、さすがに疲れたので帰宅。

 しかし、かなり登場人物が増えてきたなあ。これは実名・仮名対照表を作っておかないと自分でも混乱するかもしれない。死んだはずの人物がまた出てきたり、とか。



7月13日(火)

 定義:上司というのは話のわからないものである。

 まあ、それはどうでもいいとして、今日は曇り気味の一日。夕方には一時間ほど雨も降った。
 そして、後輩Aの指導は今日も続く。席が隣になったせいか、声をかけられやすくなったようだ。しかもこの席、冷房の風が直接当たって寒いぞ。やはりこれは罠か。
 まあそんなこともないだろうが、以前の席はすぐそばにミーティング机があってうるさかったのだ。今回の席は騒音はちょっとマシになったから、差し引きゼロというところか。なかなか理想的なデスクというものには巡り会えないものである。しかし先輩Cよ、机の上に直接電話のメモ等を書くのはヤメるように。
 そんなこんなで、今日は意外と仕事がはかどったので早めに帰宅。

 ああっ、阪神逆転負けだ。しくしく。



7月12日(月)

 今日は席替えをしたのだ。

 今までデスクの並びは私・先輩C・後輩Aの順だったのだが、先輩Cが「これじゃ後輩Aの指導がしにくいだろう」と、自分の席と私の席を交換しようと言い出したのだ。まったく余計なこと……あ、いやいや、心遣いありがとうございます。
 で、隣のデスクへ移動するだけだからすぐに終わるだろう、と思っていたら甘かった。キャスター付きの引き出しと椅子を交換し、パソコンのケーブル類をいったんすべて外したまではよかったのだが、繋ぎ直してみるとパソコンが起動しない。「○○○○Kbyte OK」の表示が出たところでフリーズしてしまうのだ。電源を入れ直しても症状は変わらず。移動させるときに蹴っ飛ばしてどこかのコネクタでも外れたかな、と思って筐体を開けてみてもよくわからない。仕方がないので専門家に助けを求めることにして、後輩Dやら同期Eやらを呼んできたのだが解決しない。なにしろ、CDもフロッピーディスクも認識しないのだ。どうしようもないのである。しくしく。
 困った。これでは仕事ができないではないか。このパソコンのハードディスクには、命より大切なデータが……あ、いやいや、命から二番目に大切なデータが……あ、いやいや、命から四百二十七番目に大切なデータが入っていたのに。これはもうあきらめるしかないか、と思いつつもあきらめきれず、あちこちをいじって悪あがきしていると、なんと、マウスを外して電源を入れるとちゃんとWindows95が立上がった。試しに、余っていたマウスを持ってきて繋いでみるとちゃんと動作する。ううむ、原因はマウスだったのか、と思ってふとそのマウスのコネクタを見ると、ピンが一本折れ曲がって隣のピンと接触している。なるほど、これじゃあ立上がらんわなあ。
 おそらく、無理矢理コネクタにねじ込んだ際に折れたのだろう。誰だよ、そんな無茶をするのは。私か。自業自得である。これで二時間ムダにした。しくしく。

 さて、この壊れたマウスはどうしよう? やはり、後輩Aのマウスとこっそり交換して……って、そういうことはヤメなさいって。



7月11日(日)

 晴れ。日曜日。しかし予定はなし。
 なんだか外はすごく暑そうだし、こういう日は家でだらだらしているに限るな。ということで、ひたすらだらだらする。
 夕食は野菜炒めを作成。材料は、牛肉・キャベツ・タマネギ・ピーマンである。キャベツとタマネギは、一部変色しているところがあったのでそこを捨てて料理する。冷蔵庫に入れているのだが、やはり冬場に比べていたむのが早くなったなあ。十分注意しなければ。と言いつつ食べちゃったけど。
 その後はまた、テレビなど見つつだらだらと……していたのだが、いかんいかんこんなことでは、もっと何か知的で生産的なことをしなければ、と思い立って「オモテ」を更新。ううむ、あまり知的でも生産的でもなかったな。



7月10日(土)

 午前十一時に起床、車で外出。今日もいい天気。
 高槻市役所前の田村書店へ。ここは書架の間も広くゆっくりと本が選べるのでわりと気に入っているのだ。同じ敷地内には吉野家と王将とめしやがあって駐車場も広い。
 本を買うついでに王将で新メニューの海老天おろし冷麺を食べ、その後は例によってダイエーへ。酒と食材を仕入れて帰宅。島田荘司の『涙流れるままに』などを読みつつ(まだ読み終わってないのか)掃除と洗濯。

 そういえば、今日から公開か。ううっ、早く『スター・ウォーズ』見たいよお。


今日買った本:
『裸のサル』(デズモンド・モリス、角川文庫)
『河童のスケッチブック』(妹尾河童、文春文庫)



7月9日(金)

 今日も晴れ。喫煙室の窓から中庭をながめていると、トンボが十数匹舞っていた。夏だなあ。本当にこのまま梅雨明けしてしまいそうな感じだ。天気予報によると、明日も晴れるようだし。

 会議が始まる前のちょっとした待ち時間に、後輩B(おお、懐かしや)と先輩C(入社したのは私の方が早いのだが、途中入社で年齢は上なので先輩でいいだろう)と話していると、先輩Cが手帳の表紙裏にプリクラの写真を貼っているのを発見。おおっ、これはもしや、と思ってよく見ると、配偶者と子供の写真だった。なんだ、つまらん。って、何を期待してるのだか。
 余談だが、この先輩C、「さっすっが!」というのが口癖なのだ。ちょっとしたことにも、この誉め言葉を連発する。まあ、本当にすごいことをしたときにはこう言われてもいいのだが、漢字の読み方を知っていたとか会議室に定刻に集合したとかいう、なんでもないことにまで「さっすっが!」が登場するのである。一緒に仕事をするようになって間もないころは、そんな先輩Cの癖がわからずに「おおっ、オレってひょっとしたら天才なのかも」などと思ったこともあった。最近は慣れてきたので、聞き流すようにしているが。
 しかし、そうも普段から「さっすっが!」を連発していると、本当に流石なケースに出会った場合に何と言うかが問題である。誉め言葉のインフレには注意しなければ。

 そういえば、後輩Aが「さっすっが!」と言われているのは一度も聞いたことがないなあ。って、それがオチかよ。すまぬ、後輩A。



7月8日(木)

 それはいつもいきなりやってくる。
 今朝はめずらしく、目覚まし時計が鳴る前に目が覚めたのだ。とりあえず時間を確認するために枕元の時計を見ようと思い、布団の中で体をひねった瞬間、足がつったのだ。右足のふくらはぎに激痛が走った。
 うーっ、とうなりながら右足を押さえ、それでもなんとか時計だけは確認すると、まだ六時過ぎである。これならもう少し眠れるなと思い、痛む足をさすりながら「この前足がつったのは確か去年の5月7日だったはず」などと考えているうちにいつしか二度寝に突入。で、結局目が覚めたのは八時だった。いつもどおりの時間である。
 昨夜はけっこう早く寝たはずなのに、眠っても眠ってもまだ眠い。それでもとりあえず身支度を整え、ボケた頭を抱えつつ(って、ブロッケン伯爵かよ)駅へ向かう。右足に不安が残るので、ゆっくり歩かねば。
 会社では後輩A関係の仕事のスケジュールの見直しミーティング。どうやら当初の予定より二週間程度は遅れそうだ。これでまた関係各方面との調整業務が増えるが、後輩Aも「これから頑張って取り戻します」と言っていることだし、今後の活躍に期待することにしよう。
 外は快晴で、社屋の中にいても暑い。相変わらず冷房が効いていないようだ。夕立でも降れば少しは涼しくなるのにと思って空を見上げても雲のかけらさえ見えない。ううむ、梅雨はこのまま明けてしまうのか? まあとりあえず来週の週末に晴れてくれればいいや。
 午後八時ころまで仕事をしたのち帰宅。風呂の中で右足をマッサージしていたが、まだちょっと痛むようだ。ううむ、しばらくは右足をかばって生活しなければ。
 ……とまあ、なぜか「裏ぽた」で雑文祭モードに入ってしまったが、たまにはそんなのも、ちょっと悪くない。



7月7日(水)

 今日も後輩Aの指導は続く。
 結局、昨日の資料は今日の昼過ぎになってようやく完成した。ううむ、この程度の資料に丸一日もかかるのか。いちおう、後輩Aが不慣れな分も勘定に入れてスケジュールを引いたつもりだったのだが、どうやらまだ見通しが甘かったようだ。この調子だと、予想以上に時間がかかりそうだぞ。


ホフスタッターの法則
「ものごとは予想以上に時間がかかるものである。たとえ、ホフスタッターの法則を考慮に入れたとしても」


 そういうわけで、もう一度きちんと工数を算出してスケジュールを見直す必要があるのだが……まあ、これは明日やることにするか。他の人の知恵も借りねばならないし。
 今日は七夕。せっかくだから、ここに願い事を書いておこう。後輩Aが早く一人立ちできますように。

 帰宅してトイレに入っていると、居間の方からなにやらドサッという物音が。ひええ、ポルターガイストか? びくびく。と思って急いで見に行くと、六十センチほどの高さに積み上げた本の山が崩れただけだった。う〜ん、阪神大震災の教訓がまったく生かされていないなあ。



7月6日(火)

 朝一番にミーティングをするというので、何カ月ぶりかに九時に出社したのだが、なんやかんやでなかなかミーティングが始まらない。結局、始まったのは十時前である。ううむ、こんなことならもっとゆっくり寝ていられたのに。
 その後は飽きもせずに後輩Aの指導。昨日作成を命じておいた資料(A4一枚の簡単なものだ)が出来てきたのだが、これがどうも完成度が低い。ちゃんと参考資料を示して、こんな感じで作れと言っておいたのだが、それを見ていないとのことだ。独力でやろうとするから時間がかかるわりに完成度が低いものになるんだよなあ。ちゃんと先人の残した遺産があるのだから、それを活用しない手はないだろう。というか、活用しろと言ったのに。ああ、なんだか肩こりがしてきた。普段はめったに肩こりなどしないのだが。
 いかんいかん。最近どうも愚痴が増えてるな。

 では何か楽しい話題があるかといえば、ないのだなこれが。阪神も負けたし。明日に期待しよう。



7月5日(月)

 今日は晴れた。

 例によって後輩Aの指導。そして、後輩Aの仕事のうち私のところへ回ってきたものに忙殺される。おかげで本来の業務をやっているヒマがないのだ。
 しかし、ヒマがないとはいえ、そのまま知らんぷりしてうっちゃっておくわけにもいかない。これこれこういう理由でヒマがないため本来の業務の方は少し遅れます、ということを関係各方面に説明しなければならないのだ。これがけっこう手間を取られる。しかも、「それくらいの仕事なら同時にできるんじゃないの?」などと無茶を言う人までいて、こういう人にはきちんと工数を算出して詳しく説明しなければならない。だからヒマがないというのに。しくしく。
 そんなこんなで関係者との調整にかなり時間が食われてしまったが、これも今日だけの話で明日からは静かに仕事に専念できるだろう。専念したいなあ。専念するぞ。するは専念、亀は万年。



7月4日(日)

 例によって、何の予定もない日曜日。昼前に起床して本屋へ向かう。
 新刊書のコーナーで神林長平の『戦闘妖精・雪風』の続編を発見。つい食指が動くが、いや待て、前作の内容をほとんど覚えてないぞ、と思って踏みとどまる。
 帰宅して、本棚の奥からハヤカワ文庫版の『戦闘妖精・雪風』を発掘。裏表紙にはこう書いてある。

 南極大陸の一点に突如出現した未確認戦闘機。それは、人類と異星体ジャムとの長く壮絶な戦いの前兆だった。反撃を開始した地球防衛軍は、ジャム戦闘機を追い、地球侵略用超空間通路を通り抜け、惑星・フェアリイを発見する。やがて、ジャムに対抗するため前哨基地がフェアリイに設置され……

 そうそう、そんな話だった。と読み出したら止まらない。いかんいかん、こんなことでは。今日は「オモテ」を更新せねばならぬのだ。と思って、参考資料のブルンヴァン著『消えるヒッチハイカー』を紐解いていたら、これがまた面白くてついつい読みふけってしまう。ううむ、こういうことをしているから更新が滞るのだ。
 それでもまあなんとか鉄の意志で本を伏せ、更新に成功。……というほどのものじゃないけど。



7月3日(土)

 やっと土曜日。今週はなんだか長く感じたなあ。

 午前十一時に起床、例によって車でダイエーへ買い出し。曇っているが、まだ雨は降っていない。酒食材等を仕入れて帰宅。
 そろそろ前髪が鬱陶しくなってきたので、駅前の散髪屋へ。これからどんどん暑くなるので、少し短めにしてもらう。帰るころにはぽつぽつと降り出した。
 その後、家に帰って掃除と洗濯、さらに島田荘司の『涙流れるままに』などを読みつつだらだらと過ごす。

 ああ、そろそろオモテを更新せねば。



7月2日(金)

 雨。降ったりやんだり。

 戦いはさらに激化しているもよう。本日、後輩Aの仕事の進捗と今後の見通しをチェックしてみると、どう考えても納期に間に合わないことが判明。緊急対策ミーティングに突入した。
 といっても、考えられる「対策」の種類などたかが知れている。結局は、後輩Aの仕事を如何にして他人に振り分けるか、という話になるのだ。そして、振り分ける先といえば私しかないのである。しくしく。
 そんなこんなでミーティングは午後八時まで続き、決定したのは、後輩Aの仕事の約半分を私が引き受ける、ということである。ううむ、まあ、全部回ってこなかっただけでもよしとするか。しかし、おかげで来週と再来週はかなり忙しくなりそうだ。16日までに、ちゃんと終わるんだろうな。いや、終わらなければ困るのだ。なんとしても終わらせねば。



7月1日(木)

 今日は晴れた。暑いぞ。

 出社早々、後輩Aの書いた資料をチェック。ようやくOKが出せた。いったい何度、指摘と修正を繰り返したことだろう。長い道のりだった。だがしかし、これで終わったわけではない。真の戦いは、これから始まるのだ。
 というわけで、いつまでも後輩Aにかまけてはいられないので、今日は自習を命じることにした。このあいだに少しでも自分の仕事を進めておかなければ。また明日から、果てしなき戦いの日々が続くからなあ。





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