「「「「コズミック」殺人事件」殺人事件」殺人事件」
殺人事件

竹田寿之

 富山の「彼女」がなぜか急死したという知らせを聞いて、彼は慌てて富山へ行く 準備を始めた。

「富山まで行くには、上越新幹線を長岡で乗り換えて…。あれ?この時刻表は まだ使えないのか」
 彼は秋田新幹線「こまち」が表紙のまだ真新しい時刻表を涙で眺めた。

「ええっと、ダイヤ改正の前に使える時刻表は、どこにおいてあったっけ?」
 彼の部屋では「彼女」の影響からか、未読のミステリィが最近山になってきていた。
「お正月の帰省のとき使ったのだから、きっとあの本の山の下に違いない」
 彼は四つんばいになると、本の山の下から古い時刻表をひっぱりだそうとした。

「どごんっ」という鈍い音とともに、彼の後頭部に激痛が走った。
 彼の命を奪ったのは本の山の上に何げなく載せてあった中古カメラだった。

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 現場検証に訪れた刑事が手帳に書き込んだ。
「凶器は(ニコン)Fである」

コズミック(殺人事件^4):サブタイトル 凶器もFになる。(完)


(この物語はフィクションです。実在の書物、人物、その人の趣味や生活、とは 絶対にまったく関わりありませんってば。)

「コズミック」殺人事件

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