第7回   裸の古墳 1996.9.21


 今日発見したのですが、京都に『補陀落(ふだらく)寺』というお寺があるんですね。
 場所は左京区の市原。小野小町ゆかりの寺と言われているようです。
 小町の姿見の井戸や、小町老衰像(!)、一本の根元から13本の幹が生えている十三本ヒノキなどがあるそうで、なかなか面白そうなところです。近いうちに行って来ようと思います。

 ということで、今日のネタは‥‥おお、はじめてマクラとネタが有機的に結合!(←してないって)。

 古墳、それも、巨大な前方後円墳というものは、
「木が茂っていて」
「周りに堀があって」
「立入禁止」
のところだと思っていた。
 現に、有名な仁徳天皇陵、応仁天皇陵などはそうである。外から眺めるだけでは、単なる「丘の上の林」に見える。

 だから、五色塚古墳を見たときは驚いた。
 この古墳は、
「木が生えておらず」
「堀がなく」
「自由に登れる」
のだ。
 五色塚古墳は前方後円墳であり、全長194メートル、最大幅125メートル、高さ18メートル。盛り土をした上に玉石をびっしりと敷き詰めてある。見学にでも来たのだろうか、小学生の集団が駆け登ったり駆け降りたりしてはしゃいでいる。
 私は、玉石を踏みしめて後円部の頂上へと登っていった。そこには円筒型の埴輪が同心円状に並んでいた。夏の陽光を浴びて輝くその姿は、メキシコ・ティオティワカンのピラミッドにも見劣りしないだろう(と思う。メキシコに行ったことはないが)。
 この姿は、建造当時を忠実に再現したものだと言う。

 壮観である。古墳というものが、本来はこれほど美しいものだったことをはじめて知った。
 頂上に立ち、周囲を見回す。住宅街である。そして、南側(前方側)は海。右手には、完成間近の明石海峡大橋がそびえ立っている。
 過去の巨大建造物と、現在の巨大建造物。過去と現在が、微妙に交錯するこの場所。
 橋が完成したら、今度はそこから五色塚古墳を眺めてみたいと思った。

 五色塚古墳の所在地は神戸市垂水区。JR/山陽電鉄の垂水駅から西へ歩いて10分程度のところにある。
 付属の駐車場には、現在仮設住宅が建っているので、電車で行くこと。

 うーん、今日のネタは写真が欲しかったな。


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