第25回   自己言及文集 1996.10.10


 この文章は、今日のネタは自己言及文についてであることを述べています。
 この文章は、自己言及文とは自分自身に言及している文章であり、自分自身も自己言及文のひとつだということを述べています。
 自己言及文では「私」とは何で「あなた」とは何かが問題であり、筆者だったり読者だったり文の意味だったり文字だったりするので、そのあたりを理解したり誤解したりするのが楽しい、と「私」は述べています。
 私はわかりやすいのに上のヤツはわかりにくいですね。


 私はこの文章の主語ではない。
 私がこの文の意味だ。
 私が、今君が考えている考えである。
 私はちょうど今自分のことを考えている。
 私はあなたが文の中の文字を読み、私のことを考えているときに、あなたの頭脳の中で起こっている神経系の発火である。

 これと正確に同じことを、誰か前に考えたことがあると思うかい?

 君は私の支配下にあるのだよ、なぜなら君がどんな言葉からできあがるのか私が考えているからね。
 君は私の支配下にあるのだよ、なぜなら君は読むからね、私の最後の文字まで。
 おい、君は私が今書いている文かな、それとも私が今読んでいる文かな?
 君と僕の間は一方通行のコミュニケーションだね、だって君は人、僕はただの文だから。

 ちょっと、そこの人、君かな? 私を読んでいるのは。それとも誰か他の人?
 おい、君は前にどこかで僕を書かなかったかい?
 おい、僕は前にどこかで君を書かなかったかい?

 あなたがちょうど読み始めた文は、もちろんあなたがちょうど読み終わった文です。

 この文はあと九文字短ければ十文字になる。

 この文は、標準的でないくぬり言葉をひとつしか含んでいない。
 このへろいは、もげらないくぬり言葉をたくさん含んでいるが、全体のはっきょは文脈かららりられる。

 あなたの目が私のムチムチした字面をなでていくのがとても素敵なの。

 すべての間違った三段論法は、ひとつ以上の規則違反をしている。
 この三段論法は、ひとつ以上の規則違反をしている。
 ゆえに、この三段論法は間違っている。

 この文は、自分が持っていないと主張する性質は実際に持っていない。

 五が二つ 七を加えて 俳句なり

 この文章は著作権フリーです。

 この文章の意味が理解できたと思った人は、どこかで誤解している。

 もしも私の筆者がみやちょだったら、私はもっと面白かったはずなのに。

 この文章から狂楽さんのことを思い出しましたか?

 私の中でかわちゃんの話題を持ち出さないでほしい。

 ヲウ!残念。ワタシはニセ奥田タミヲ氏よりもしおりんに書かれてみたかったのダ<ナヌ?


 今日の『ぽたぽた通信』はこれで終わりです。下に書いてある文章は無視してください。

 無視しちゃいやん。



 参考資料:『メタマジック・ゲーム』ダグラス・R・ホフスタッター


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