第139回   首都移転を考える 1997.6.6


 今日は、首都機能移転問題について考えることにする。
 1996年6月18日に『国会等の移転に関する法律改正法』が成立したが、これによると、1997年末までに移転場所の選定、2000年末までに着工、2010年には新都で国会開会という予定になっている。2010年には、新しい首都が誕生するのだ。首都新生、である。

 では、そもそもなぜ首都を移転する必要があるのか。東京への一極集中の是正、ということらしい。私は大阪人なのでよくわからないのだが、東京へは一極が集中しているらしい。N極かS極かは定かではないが。
 そのため、一歩東京へ足を踏み入れると、磁石が狂って使い物にならなくなる。みんな、道に迷ってしまうのだ。だから、東京は迷子になった人々であふれかえり、超過密状態になっている。家は狭く、家賃は高く、職場は遠い。片道2時間20分もかけて通勤している人もいるくらいだ。これだけ環境が悪いと、同盟罷業が起こるかもしれない。首都ライキである。

 移転先の候補はいろいろあるが、やはり私としては、関西に来てほしい。関西で立候補しているのは、滋賀県と宝塚市である。
 滋賀県は、琵琶湖を干拓して土地を作ろうと宣言しているらしい。干拓宣言である。でもまあ、これはやめておいた方が無難であろう。水門を開けろだのムツゴロウを救えだの大論争になる。そのうち、暴徒が押し寄せて来るかもしれない。琵琶湖暴徒である。
 宝塚市の方は、立候補表明が遅かったせいか、分が悪い。そのため、ひそかにテロリストの一団を雇って他の候補地への妨害工作をしているようだ。このテロリストたちは、宝塚過激団と呼ばれている。
 また、邪馬台国原理主義者たちも活動している。かつて邪馬台国のあった土地に新首都を建設しようという人々だ。しかし、内部抗争が絶えず、意見が統一される様子はない。なにしろ、九州説・畿内説をはじめとして、淡路島説・佐渡島説・琉球説・ハワイ説・エジプト説などが存在するのだ。国外に首都を建設してどうしようというのだろう。もっとも、このハワイは鳥取県にあるのかもしれないが。

 このように、まだ議論の真っ最中であり、そう簡単には決定しないだろう。いや、決定して建設が始まってからでも、突然ひっくり返される可能性もある。昔から言うように、遷都は続くよどこまでも、なのである。


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